勉強から逃げていた自分が大きく変われた!
日本医歯薬専門学校2年生杉中(すぎなか)さん塾の先生に「頑張れない子」といわれた過去
数ある仕事の中で、歯科衛生士を目指すきっかけを教えてください。
杉中さん中学生ぐらいから看護師や助産師になりたいと思っていて、勝手に将来はそういった仕事に就くと思っていたのですが、通っていた塾で進路相談をしたときに「看護師に絞らずにもっと広く医療系や将来を見た方がいい」といわれたのがきっかけです。
個人の塾で高校受験から通っていたおじいちゃん先生なんですが、「無理に看護師だけに狭めないで、大学やほかの医療系も検討して決めたらどうか」と提案されて。付き合いも長く、かなりはっきり言って下さる方で、その先生がそういうなら見直そうかなと思いました。
「はっきり言ってくれる」のはどういった内容でしょうか。
杉中さん勉強の実力のことや性格についてですね(笑)。理系の勉強が苦手で嫌いだったことも知っていて、「看護師をお前がやっていけるとは言い切れない」って言われて。私が塾をサボったり、宿題をやらないことも多かったので、「看護師を目指したいなら本気で勉強しろ」って言われた時期もあって。
それでも勉強が嫌いすぎて頑張れなかったら、緊急面談になって「世の中には頑張れる子と、頑張りたいけど頑張れない子がいて、後者かもね」とはっきり言われました(笑)。それで医療系でもう少し視野を広げてみようと思って、探した中で歯科衛生士に興味を持ちました。
調べる中で、歯科衛生士のどこに興味を持ちましたか。
杉中さん人と話すことが好きなので、患者さんとコミュニケーションがたくさん取れて楽しそうだなと思いました。子どもの頃から通っている歯科医院があって、今でも定期健診で行くのですが、みんな明るくて仲良くして下さるんです。
ちょうど健診のときに「歯科衛生士を目指そうと思ってる」と伝えたら、「私たちのお陰じゃん!」って言われて(笑)。「うちでバイトする?」って感じで気軽に話せる関係で、そういう歯科衛生士になれたらいいなと思いました。
あとは、国家資格が持てるのも大きいです。資格を取ったら求人も多いので、転勤や引っ越しがあっても働けるのは強いなと感じました。自立したいので女性が生涯活躍できる仕事は魅力的だと思いました。
苦手な分野もわかるまで先生がフォロー
学校はどうやって探しましたか。
杉中さん母の友達がこの学校を知っていて、とりあえずオープンキャンパスに行くことにしました。いろいろな話しを聞いて、体験もやってみたら、歯科医師より患者さんに近い存在だったり、作業も楽しかったので入学することにしました。
あとは、家から自転車で通えるところや、設備が整っていて校舎がきれいだったり、担任制で先生に相談しやすいところもポイントでした。ほかも見学に行きましたが迷わなかったです。それとメイクが厳しくないのも大きくて、高校生までダメだったのでOKな学校がよかったです。
入学時は期待と不安のどちらが大きかったですか。
杉中さん不安が大きかったです。とにかく勉強についていけるか不安でした。オープンキャンパスのときに「難しすぎない」って言われましたが、勉強が苦手で頑張れないタイプなので、大丈夫かなと(笑)。
でも、入学したらこれまでの学力は全く関係なくて、口や全身についてみんなゼロからのスタートでした。歯の名称も知らない中で基礎から教えてくれるのでわかりやすかったです。少なからず自分がやりたいと思ったことなので、興味や関心があると集中できて、意外と勉強楽しいなって感じでした。
ただ、理系はやっぱり苦手です。化学や生物の知識が必要で全然ダメでしたね。でも先生がテスト前に補講してくれて、わかるまで付き合ってくれて、なんとかテストも解けました。ほかに苦手な人がたくさんいて、それもすごく安心しました。学校のフォローがあったので逃げずに済みましたし、辞めたいとも思わなかったです。
学校で楽しいことは何ですか。
杉中さん手を動かす実習は楽しいですね。歯科診療補助や歯科予防処置の授業は好きです。歯科診療補助は歯科医師のアシストがメインですけど、うまくできると気持ちいいです。
そもそもコロナ禍で入学してからオンライン授業が多い中で、登校して友達と会えることがすごく楽しいです。オンライン上で画面越しでしか話したことが無かったクラスメイトと実習でグループワークなどをやると友達も増えて楽しいです。
あとは、看護師に興味もあったので身体全体の知識が学べることは嬉しいですね。解剖学など範囲が広いのは大変ですが、歯や口が全身の健康にも大きく関係しているので、学べてよかったと思います。
勉強から逃げていた自分が大きく変われた!
プライベートでオンとオフはつけられていますか。
杉中さんはい、つけられています。基本は週6ぐらいでアルバイトをしていて、あとは友達と遊んでいます。アルバイトは高校1年生から4年間くらいコンビニで働いていましたが、歯科助手のバイトを始めたのを機に辞めました。あとは、この学校の学生スタッフもやっていますね。
学校が14時で終わるので割と時間があって、家にいるのがつまらなく感じるので、それなら外に出てようってタイプなんですよね(笑)。
入学してから歯科衛生士のイメージなどに変化はありますか。
杉中さん看護師さんと歯科衛生士さんはサポートすることが主な仕事だと思っていたのですが、歯科衛生士さんは意外と自分でできる業務範囲が広いと思いました。歯石を取ったり、ブラッシング指導など、歯科衛生士が主導で患者さんの状態を改善していける仕事だと感じてきて、すごくやりがいはありますね。
いま2年生ですが、理想の歯科衛生士像などはありますか。
杉中さん自分の中で入学時から変わらないのですが、子どもから大人までみんなに慕われる歯科衛生士さんになりたいです。通っていた歯科医院が本当に家族全員お世話になっていて、家族の誰かが定期健診に行かないと、「早く呼んでよ~」って感じですごく身近な存在だったので、それはベースにある気がします。
あと、アルバイト先の歯科衛生士さんがすごく教え方が上手で、自分のノートや技術を見せてくれるので憧れています。患者さんに対しても共感しながらもしっかり提案や指導しているので、自分もそうなりたいですね。
歯科衛生士を選んでよかったと思いますし、理想に近づきたいです。
明確な目標があることで、自分が変わったと思いますか。
杉中さん思いますね、すごく。高校時代は勉強から逃げましたし、いま思うと申し訳ないのですが、授業中もふざけたり、寝たりしていましたからね。それがいまは家で復習したり、外出先でも携帯アプリで勉強したり、テスト前はディズニーに行っても乗り物の待ち時間に勉強しないといられないぐらいです。
進路に迷っている学生などに、歯科衛生士はおすすめできる仕事ですか。
杉中さん話すことが好きな人は患者さんとコミュニケーションが取れて楽しいですし、細かい作業が得意な人はいろいろな処置で活躍できるので、やりがいはあると思います。どちらも患者さんに喜んでもらえて、感謝されるのでいい仕事だと勧めたいです。
勉強が苦手でも本当にみんなゼロからのスタートで、基礎からじっくり勉強していけるので極端な話、漢字が読めればいけると思います(笑)。高校時代は勉強から逃げたりした自分が現在は勉強に励んでいるので、本当にそこは大丈夫って伝えたいですね。