歯科衛生士になるための情報マガジン めざせ!歯科衛生士

「親の反対押し切った」
働いて夜間部に通い
歯科衛生士に!

イースト21デンタルオフィス歯科衛生士1年目森井(もりい)さん
「親の反対押し切った」働いて夜間部通い歯科衛生士に!

親からの就職を断って歯科衛生士に!

早速ですが、歯科衛生士を目指した理由はどういったものでしたか。

森井さん小さいときに歯みがきが嫌いで虫歯がすごく多くて、よく歯医者さんに通っていました。それもあってか、小学校の卒業アルバムに「歯医者さんになりたい」って書いたみたいで、そのころから興味はあったと思います。
本当は歯科医師になりたかったんですけど、ちょっと頭が追いつかないので(笑)。具体的に目指そうと決めたのは、高校の先生に歯科衛生士を薦められたときですね。

それで具体的に興味を持ったんですか?

森井さんはい、そうです。ただ、両親に「専門学校で勉強して歯科衛生士になりたい」って話をしたら、「就職してよ」って言われて。家庭的な事情ではなく、高校のときに全然勉強しなかったので「どうせ遊んで終わるんでしょ」って思われてしまって。
どうしても歯に携わる仕事がしたくて、お母さんに頼んだら「自分でお金を払って学校に行って」と言われて、それで昼間にアルバイトをして夜間部のある専門学校に通いました。

そこまで歯科衛生士にこだわった理由は何でしょうか。

森井さん人の役に立つ仕事がしたいというのが強くありました。介護士にも興味がありましたが、体力にも大変だし、介護していた方が突然亡くなってしまうこともあるので、そういう思いをするのはつらいなと思って。
それと、国家資格が取れることも理由の一つでした。合格率が高いことを知っていたので、私でも取れるかもって期待できましたし。あと、自分が歯医者さんに長く通っていたので歯石が取れるとスッキリするとか、やりがいがある仕事だってことはわかっていたので、なりたいと思えました。

昼間はどういった仕事をしていたんでしょうか。

森井さん平日は歯科助手のバイトをしていました。バイトが終わってから、学校に行く毎日でしたね。土日は、高校のときからしていたスーパーのバイトを続けていました。

お休みなさそうですけど、体と気持ちは大丈夫でしたか?

森井さん全然平気でした。休みはありましたし、友達と普通に遊んでいました。用事があるときは、バイトを休むこともできたので。
あと、学校で習ったことがバイト先の歯科医院で役立つことも多かったので、そこは頑張れた理由の一つですね。歯科助手のバイトと同時に学校に入学して、何も知らない状態でスタートしたので最初は大変でした。ですけど、勉強しながら週4~5ぐらいバイトに入っていたんで、いろんな知識も付いて、患者さんが歯科衛生士さんに感謝しているのを見ながら「やっぱりこの仕事いいな」って感じられました。

働き始めて技術の足りなさを痛感する毎日!

学校の勉強はついていけましたか。

森井さんそうですね。高校時代に比べると、全然普通に勉強してましたね(笑)。夜間部は18時~21時半までなので、バイトも含めて1日中、歯のことだらけで疲れることもありましたけど、勉強はそこまで嫌じゃなかったです。実際の現場をバイト先で見ているので、授業の内容がわかったりするのもあったと思います。

夜間部の学校生活で楽しかった事はなんですか。

森井さんいろんな年代のクラスメイトがいたので、一緒に勉強するのは楽しかったです。同世代もいたし、10~20歳も年の離れた人もいて、社会のいろいろなことが聞けて、学生から一気に社会人のような気分を味わっていました。なので、それはよかったかなって思います。

当初反対していたご両親は、いまなんて言っていますか。

森井さん「歯科衛生士になってよかったね」って感じで、いまは私よりも喜んでますね。同級生がいま大学4年生で就職活動していて、苦労しているのを周りから聞いている影響もあるかもしれません。母も「私も資格取っとけばよかった」ってボソッとつぶやいていました。親に言われた道を蹴って、自分で学校通って本当によかったなって思っています。

歯科衛生士になってよかった事はどんなことですか。

森井さんやっぱり患者さんに「すっきりした」とか言われたときに、「この仕事でよかったな」って気持ちになりますし、達成感とかやりがいはありますね。
あと、将来は結婚して子どもが欲しいので、そういう意味でも資格は大きいと思います。歯科衛生士ならどこでも募集もありますし、パートでも続けられるので。

働きはじめてわかった苦労って何かありますか。

森井さん実際働いてみると、患者さんの口の状態もいろいろあって。自分が簡単に治療できない歯周病とかも普通にあって、「なんでこんなにできないんだろう」って技術の足りなさを痛感することはよくあります。技術が足りたいと時間もかかるので、予約で来ている次の患者さんにも迷惑がかかってしまいますし。悔しくて何回か泣いちゃったこともありますね。
私たちのクリニックは、自分で用意して片付けて、カルテも書くので、その時間が取れないこともあるし、土曜日は混雑するので自分の休憩時間が取れなくなることも全然あります。なので、技術のなさを痛感していますね。

かなり忙しいのが伝わりますが、「辞めたい」って気持ちにはならないですか?

森井さんそこまではないですね。自分がやりたかった仕事なので、最初の3ヶ月は普通に楽しくて。休みも全然なくていいって思っていたんですけど、夏が来たら暑くて出勤だけで疲れてしまって(笑)。
楽しいんですけど、気はずっと張っているので家に帰ると疲れが一気に来て。布団も敷かずにそのまま寝てしまって、朝起きたら私服とか普通にありました。休みの日も延々寝てるみたいな(笑)。本当に死んだように寝るって感じでした。でも、最初の半年ぐらいは、誰もが通る道なので、そこは慣れるしかないと思います。

歯科衛生士は「学べば学ぶほど楽しい仕事」

プライベートの様子(本人提供)
プライベートの様子(本人提供)

前向きに続けていられるのは、なぜだと思いますか。

森井さんやっぱり学べば学ぶほど、普通に楽しいって思えるからですね。知識が増えれば、患者さんに伝えることも増えるので、それは大きいですよね。
あとは、一緒に働く先輩や先生たちがみんな優しくて、雰囲気がすごくいいのはあります。いまは2人の先輩に教えてもらっているんですが、仕事終わりに残ってくれたり、自分のために時間を使ってくれるので、そういうのも大きいです。就職する前は、もし人間関係が嫌で辞めても、転職先はたくさんあるからいいやって思っていたんですが、自分が一番下で迷惑かけることが多いので、周りがいい人たちなのは本当にありがたいです。

あまり余裕なさそうですが、プライベートでオンオフつけられていますか。

森井さんまだ、あまりできてないですね。夢でも普通に仕事してます(笑)。それでも最近はだんだん自分の心に余裕が出てきて、友達と会って遊んだりしています。新型コロナで厳しいですけど、カラオケとかでストレス発散していますね。

いまやりたいことは何かあります?

森井さんとりあえず知識をもっと増やして患者さんに伝えられることをもっと増やすことですね。いずれは歯周病とかインプラントとかの知識を高めたいと思います。
あと、仕事じゃないですが、一人暮らしとかもしたいです。ただ、仕事から帰るとぐったりしているので、家事や料理とかはしたくないですね。なので、いまの生活はご飯があって楽でいいんです。あと、学費払っていたので、お金貯めないとってのもあります。

高校時代に比べて、自分が変わったなと思う点はありますか。

森井さんそうですね。高校時代はほんとに何も考えてなくて、ただ遊んでいたので(笑)。部活も途中で辞めて、勉強もかなりおろそかにして、バイトして夜まで遊んで親に毎日怒られていたので。
いまは社会人だからお金も自分で稼いでやり繰りして、大人の道をスタートしたなって感じています。心はまだ子どもですけど、そういうところは自分で区別ができるようになったと思います。

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イースト21デンタルオフィス
2021.10.27 更新