エンタメ業界から歯科医療業界へキャリアチェンジ!
早稲田医学院歯科衛生士専門学校Ⅱ科(夜間部) 1年生竹内(たけうち)さん正社員を続けながら、歯科衛生士の国家資格にチャレンジ!
歯科衛生士を目指したきっかけを教えてください。
竹内さん大学卒業後、新卒で番組制作会社に入社し、その後キャスティング会社へ転職。エンタメ業界でキャリアを積みました。祖父の死をきっかけに医療業界に興味を持ち、在宅医療を行っているクリニックでアシスタントとして働き始めました。先生に同行して、医療処置の準備やサポートなどを2年ほど行っていました。自分も医療系の資格を取ってみたいなと思った時に、早稲田医学院歯科衛生士専門学校を見つけて入学しました。
診療補助のお仕事は残業が発生することもあり時間の問題的に厳しかったので部署移動をお願いし、今は外来やリハビリに来る患者さんを車で送迎する仕事をしながら夜間部に通っています。
医療職種の中で歯科衛生士を選んだ理由はどのような点からでしょうか。
竹内さん実は元々歯科衛生士になりたい、というところからスタートしたわけではなくて、医療の中でもうちょっと踏み込みたいという気持ちから、何か医療系の国家資格を取りたいと思い始めました。
資格を取るには最低でも3年学校に行かないといけない。その後、国家試験にも合格しなければならない。この期間や年齢を考えると、アルバイトではなく正社員を何とか続けたかったんですよね。それで夜間部の学校に通い、ポジションは変わったとしても何とか今の職場で正社員を続けることができそうな学校を探そうという考えからスタートしたっていうところが正直なところです。
正社員を続けながら通える医療職種の学校を探すところからのスタートだったんですね。他にはどのような資格が候補に入っていたのでしょうか。
竹内さん興味を持った医療資格として、放射線技師やPT・STなどのリハビリ関係の資格もありました。職種別に年収や就職後の仕事とプライベートとの両立、国家試験の合格率、学校の入りやすさ、職場からの距離、学費(学費以外にかかる金額も含めて)など、自分なりにいろんな条件を調べて、ちゃんと最後まで合格して働くまでいける確率が自分の中で1番高い職種で歯科衛生士を選びました。
そこまで考えて多職種と比較し、歯科衛生士を選ばれたんですね。
竹内さん職場にも迷惑をかけますし、学校に通う間はお給料も落ちると思って。確実な道を取らないともったいないというか。そこの無駄だけはどうしても避けたくて、自分なりに調べて学校に行ってお話を聞かせていただいて、後からメールで何回も質問させていただいたりもしました。
この学校ならできるかなと思えたのが、早稲田歯科衛生士専門学校でした。話していて”働きながら資格を取りたい”という気持ちを1番理解してくれて、働きながら学校に通う学生の立場を考えてくださっているんだと感じて。広報担当の方だけではなく、先生方も協力してくれて学生生活の細かいことまで教えてくれたんです。そういったところから、この学校なら大丈夫じゃないかなと思いました。
圧倒的少数派だからこそ、男性歯科衛生士は強みになる!
女性が多い職種ですが、その部分でハードルは感じなかったのでしょうか。
竹内さん就職という点では、女性はライフステージのタイミングで仕事を休職したり辞めるといった選択をされる方も多い中で、看護師以上に女性比率が高い歯科衛生士だからこそ男性ということを強みにできるのではないかと思いました。女性が多い職場に男性が入る利点を就活時にアピールできればと思っています。
男性が少数の職種だからこそ、逆に強みになると。逆転の発想ですね。
竹内さんもちろん女性が多い職場ですし、学生生活も就職後も難しいところは絶対あると思います。
ただ、それ以上にうまみがあるかなと思います。歯科医師は男性もいますし。自分が慣れてきてコミュニケーションを取れるようになってきたら活かせるかなと。
例えば、女性スタッフに言いにくい患者さんや、逆に男性スタッフが苦手という患者さんもいると思うので、お互いの協力関係が作れるのであれば男性がいた方が良いのではないかと思ってます。
そういった中でプラスの方が大きいのかなと自分の中では思えたので、歯科衛生士を選びました。
とはいえ、初日はもう怖いというかドキドキでいっぱいでしたけどね。
普段の授業はどんな感じなのでしょうか。
竹内さん夜間部だからということもあるかもしれないですが、別に男性だからといった距離の取り方は全くないです。提出物に関してとか色々教えてくれたり、歯科助手をやっている方が実習のときに教えてくれたりしますね。
今のクラスの関係がすごく良くて。男性だから疎外感を感じるとかマイナス・デメリットを感じるようなことは一切ないです。先生も着替え等必要なところでは気を使ってくださるので、何不自由なく学校に通えています。
実際に学校に入ってみてギャップはありましたか。
竹内さんプラスの意味でのギャップしかなかったというか。もうちょっと浮くかなって思っていたんですけど、本当に良い人たちに囲まれたなと。クラスメイトの年齢層は幅広いですが、年齢とかも全く気にせず同い年くらいの感覚で。男性だからこそもうちょっと大変かなと思ったところが、そんなになかったですね。
勉強については、提出物の量も事前に聞いていた通りだったので、ギャップは全くなかったです。
テストも実習も国試・卒業まで全て計画的に
提出物はいつ取り組んでいるのでしょうか。
竹内さん基本的に家に帰ったらすぐにやるようにしています。その時間を逃して課題の存在を忘れるのも怖いですし、特に実習をやった後って翌日の仕事のことを考え始めてしまうと実習のことを忘れてしまって書けないと思うので。物品一つひとつの名前を覚えるところからなので、授業中にメモ書きをして家に帰ってご飯食べてからそれだけはやってから寝ると決めています。
たまに課題を忘れることもありますが、仕事の休憩時間にサクッとご飯を食べてすぐに取り掛かり提出に間に合うよう終えています。
日中、正社員でお仕事に集中するためにも、授業の課題は当日終わらせているのですね。
竹内さん仕事が運転なので、あまり夜更かしすると事故を起こしてしまったら場合によっては資格も取れなくなってしまいますし、勉強を続けるためにこそ夜更かしはしないようにしています。テスト前でも24時前には勉強は止めないとといけないなと。朝5時半~6時に起きるので、そのくらいは寝ておかないと患者様の命も預かっているので。夜1~2時間で勉強しています。予習はあまり出来ていないですけどね。後は土日などにやってます。
テスト前の勉強はどうされているのでしょうか。
竹内さんテストの1週間前くらいから計画的に有給を使うと、入学前から職場にも相談していました。前回のテストも有給と夏休みを使って3日くらいテストの週に休みを取りました。そこはもう夜寝なくても誰にも迷惑を掛けないので、朝の3~4時くらいまでやってから寝てました。職場も協力してくれるからこそ、何とかできています。
1日2コマ授業があって両方とも復習が必要ですが、今は探りながらやっています。勉強も10年振りに近いので、どんな勉強の仕方が良いのかわからなくて。親には申し訳ないですけど、高校も大学も今ほど勉強したことが無くて。今が人生で一番勉強していると思います。
やっぱり、まずは提出物をその日にやるようにしています。カレンダーに何をいつまでに提出するのかやテスト日程などを記載し、洩れないように優先順位を立てるということだけはしっかりやっていますね。
有給に関しても入学前からしっかりと職場に相談されていたんですね。
竹内さん受験する前に上司に言わないと筋が通らないかなと思ったので、相談という形でしていました。今の仕事に在籍しながら学校に入学することは、断られる可能性もありましたが、快く承諾いただきました。
それこそ3月の国家試験の前、状況次第で年明けから休む可能性があること。国家試験後に戻ってきても1か月くらいですし、合否発表が3月末なのでそこで万が一落ちてしまって続けますと言えないので、3年後には辞める計画でいることも伝えていました。
3年後の計画まで事前に共有されていたんですね。
竹内さん他にも学校から事前に2年生の4月から3年生の秋まで実習があって、15~16時くらいからスタートということも教えてもらっていたので、早退することになることも相談していました。
本当に細かいところまで学校に確認し、事前に職場へ相談していたんですね。
竹内さん休日や実習で早退するスケジュールなど、事前に学校に確認して職場にも伝えていました。
入学してからもらった年間スケジュールもすぐに上司に渡しましたね。相談に乗ってくれる上司で一緒に有給計画まで考えてくれたんです。やっぱり、先に言っておいた方が良いなと思いました。
スケジュールに関しても学校側が曖昧にせず全て教えてくれたので、会社にもスムーズに相談できたので良かったなと思います。
学生の段階でも、身近な人の助けになれたと感じたことが嬉しい。
学校に通い始めて印象に残っている授業はありますか?
竹内さん小学校とかで歯磨きの仕方について、”一本一本丁寧に磨く”と習ったと思うんですけど、歯磨きって力の入れ過ぎも良くないんです。歯茎を傷付けてしまって、歯茎がどんどん下がってしまうんですね。
今まで何となく磨いていた歯磨きに関して、授業で歯ブラシの持ち方や力の入れ方を教えてもらって。友達に歯の磨き方について教えることが出来たりとか。何となくやっている人が多い中、それに気付けるようになったというのが、自分の中で「あ、ちゃんと身についているんだ」と嬉しかったし安心しました。患者さんへの対応はまだまだ先ですが、まず身近な人の助けになれたのであれば良かったなと思いました。
今はまだ歯科衛生士になるための勉強をしている段階だけど、身近な人の助けになれたって嬉しいですね。
竹内さん今日本当にたまたまなんですけど、歯医者の定期健診があって見ていただいた際に「磨き方がすごく良くなった」と言ってもらえました。本当に持ち方から全て変わったのと、フロスなんて全くやっていなかったのを1日最低1回はやるようになったんです。
染出しっていう赤い液で歯石の元がついているかという検査をやったんですけど、「面白くないくらい付いてない、せっかくなら付いていて欲しかった」って言われました。通っている歯科医院のスタッフは、ここ(早稲田医学院歯科衛生士専門学校)に通っているのを知っているので「せっかくならブラッシング指導したかった」と言ってましたね。
祖父が教えてくれた「本人が希望する生き方」をサポートしたい
将来はどのような歯科衛生士になりたいですか。
竹内さん医療に興味を持ったきっかけは、祖父の死だったんですけど。昔ながらの我儘なおじいちゃんで「自分が好きなものを好きなように食べて死ぬんだ」と言って、お酒を止められていても買ってきちゃったりとか、入院して減塩しなきゃねと言われているのに醤油がないと文句を言う人だったんですけど。
祖父は、本当に最後まで「好きなものを食って好きなように死ぬんだ、だから治療なんて頑張る必要なんてないんだ」という考えで、その通りに生きて亡くなっていったんですね。でも、それが祖父らしく、最後までその祖父らしさを貫いて生きることができたところが良かったなと思ったんです。
最後まで本人が希望する生き方を手伝えたら良いなと思い、そこから医療に興味を持ったのがきっかけで、今勤務する在宅医療に携わり始めました。
医療の資格を取ろうと思い立ったとき、歯科衛生士が興味のある資格の1つになったのも、最後まで好きなものを食べるためには、自分の歯があった方が食べられるものの幅が広がるというところもあって。なので、患者さんが長く自分の歯で食事を楽しめるようサポートし、”食べる”ことの自由を守りたいと考えています。
口腔内や全身の健康を守るだけでなく、祖父のように自分の好きにやりたい人もいると思うので、その方の気持ち・希望を尊重してあげられる歯科衛生士になりたいなと思います。
具体的には、歯科衛生士の中でも嚥下に特化している方もいるのでそういった方面であったり、歯科の在宅医療も今すごく増えているので、せっかく在宅医療で学ばせてもらったことを次にまた活かすとか、今はそういったところにも興味を持っています。